家族に迎えるワンちゃんを選ぶ際には、飼いやすい犬種選びから始まり、自宅の準備や飼い方、性格や特徴がご家庭に合うか?など、たくさんの疑問があることでしょう。
「オス犬とメス犬、どっちの性別を選ぶか?」
子犬の選び方として性別を重視される方も多いのではないでしょうか?
今回は、オスとメスの違いや飼いやすさなど、犬の性別について、動物病院の運営も行うプードル専門店がわかりやすくご紹介します。
目次オス犬とメス犬の値段の違いは?
まず最初に、オス犬とメス犬の値段に差はあるのか?人気犬種No1であるトイプードルの価格を参考にご紹介いたします。
トイプードル専門店である弊社の過去15年の販売データを元にトイプードルの男の子と女の子の価格を集計した結果がこちらです。
性別 | 価格相場 | 最高価格 |
---|---|---|
オス(男の子) | 45〜65万円 | 350万円 |
メス(女の子) | 53〜70万円 | 280万円 |
メス犬は出産が出来ることもあり価格相場は少し高い傾向にありますが、最高価格はオスの方が高い結果となりました。
日本一可愛いトイプードルを販売する弊社では、性別や毛色などで値段が決まることはなく、お顔の可愛さでお値段が決まります。そのため、子犬の値段に性別差はなく、個体差が大きい特徴があります。
販売中の子犬ちゃん達をご覧いただければ、きっと値段の違いにもご納得いただけるはずです。
オスのトイプードルの子犬
メスのトイプードルの子犬
トイプードルの子犬をすべて見るいかがでしょうか。子犬の価格に性別差がほとんどないことがお分かりいただけたのではないでしょうか。
しかし、飼い主様が事前に知っておくべき「オス犬とメス犬の違い」がありますので、それぞれの特徴を1つずつご紹介いたします。
犬の性別の違い1「身体的な特徴」
犬はオスとメスの見分け方が非常に簡単です。
次の画像をご覧ください。どの子犬がオスで、どの子犬がメスでしょうか?
顔つきや体つきだけで犬の性別を見分けることは難しいですね。
次にお尻を見てみましょう。
成犬で去勢をしていないオスのワンちゃんであれば睾丸(金玉)を確認できますが、子犬や不妊手術を受けたワンちゃんの場合はお尻だけでは性別の見分けが難しいかと思います。
次に下腹部を性別で見比べて見ましょう。
オス犬とメス犬で最も大きな違いは生殖器です。
犬の性別の簡単な見分け方は、お腹の下あたりを見て陰茎(チンチン)があればオス・生殖器の出っ張りがなければメスとなります。
去勢手術を受けても陰茎がなくなることはありませんので、不妊手術の有無に関係なく子犬でも成犬でも簡単に性別を見分けることが出来ます。
お写真では少し見分けにくいかもしれませんが、実際に触れ合って頂ければ一目瞭然。トイプードル専門店の弊社では常にオスとメスどちらの子も沢山おりますので、是非一度ご見学にお越し下さい!
生殖器以外にも、犬には以下のような身体的な性別差があると言われています。
- オス犬はメス犬よりも大きくなりやすい
- メス犬はオス犬よりも早く成熟しやすい
しかし、同じ性別で同じ両親犬から産まれた兄妹犬であっても、サイズが全く違う事がよくあります。
生殖器以外の身体的な特徴は個体差が非常に大きい為、性別で判断は出来ません。
犬の性別の違い2「発情期の違い」
オス犬に発情期はありませんが、メス犬には"ヒート"と呼ばれる妊娠ができる期間があります。
初めてのヒートは、
小型犬で生後8ヶ月〜10ヶ月頃
大型犬で生後10ヶ月〜12ヶ月頃
に迎えます。
これ以降は1年に約2回の周期でヒートが訪れ、1回あたりのヒート期間は8〜21日間ほどとなります。
ヒート期間中のメス犬は、オス犬を引き寄せる特有の臭いを発します。妊娠を望まない場合やオスとメスを一緒に飼う場合、ヒート期間中のメス犬にオス犬を近づかせない工夫が必要です。
オスを誘惑するフェロモン以外にも、ヒート中のメス犬には人間で言う生理のような症状が表れることがあります。
- 陰部の腫れ
- 膣からの出血
- トイレの回数が増える
- 興奮して攻撃的になる
- 落ち着きがない様子が見られる など
犬の性別の違い3「不妊手術の違い」
犬はオスとメスで生殖器が違う為、妊娠を防ぐ不妊手術も性別により異なります。
下の表に、不妊手術の性別間の違いをまとめました。
不妊手術の違い | オス | メス |
---|---|---|
手術の名前 | 去勢手術 | 避妊手術 |
摘出する臓器 | 精巣(睾丸)のみ | 卵巣と子宮 or 卵巣のみ |
手術時間 | 5〜10分 | 20〜30分 |
入院 | 日帰り or 1泊2日 | 1泊2日 |
費用 | 約3万円 | 約5万円前後 |
オスの精巣は身体の外に出ていますが、メスの卵巣や子宮は身体の中にあります。このため、オスの去勢手術に比べて、メスの避妊手術のリスクは高いことが一般的です。
一度不妊手術を受ければ二度と子供は産めませんので、信頼できる獣医師さんとよく相談の上で判断しましょう。
不妊手術をすると問題行動は減るの?
はじめて動物病院へ行くと、ほとんどの獣医師が子犬のうちに不妊手術を受けることを勧めます。
- 早期に不妊手術をすることで"特定の病気"を予防できる
- ホルモンバランスが安定して"問題行動"を起こしにくくなる
- 望まない妊娠を防ぐことができる
このような理由から、不妊手術は健康な子犬にも勧めやすい唯一の手術です。
しかし、不妊手術によって犬が飼いやすい性格になる事はありません。
たしかに、去勢手術を受けたオス犬はマーキングやトイレの失敗が減る可能性はありますが、反対に攻撃行動が多くなるといった研究結果もあります。除去した生殖器に関する病気の予防に繋がる可能性はありますが、肥満など他の疾患に繋がる可能性も否定できません。
実際に弊社のトイプードルちゃんの中にも、避妊してもマウンティングが残った女の子もいますし、去勢しなくてもトイレを100%成功する男の子もいます。
「どうしても問題行動が心配...」という方は、しつけ方や飼い方などお迎え後のアフターサポートが充実した販売店で、プードルなどの賢い犬種の中からご自身の性格にあった子犬を選ぶ事をお勧めします。
犬を飼うならオスかメス、どっちが飼いやすい?
「オス犬はしつけが大変って聞くから、飼いやすいメス犬がいい!」とご希望される方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
犬の問題行動として、主に以下の5つが挙げられます。
- マウンティング(人やクッションなどに腰を振る行動)
- マーキング(片足を上げて電柱などにおしっこをかける行動)
- 噛みつき
- 無駄吠え
- 脱走や徘徊 など
特に「マウンティングやマーキングはオス犬に多い」と言われる事が非常に多くありますが、メスのワンちゃんでもしつこく腰を振る子もいますし、中には逆立ちをしておしっこをしてしまう子もいます。
犬の問題行動は本能的な行動であり、オスとメスどちらにも現れる可能性があります。実際に、犬の行動特性に性別差はないとの研究結果もあり、まだまだ研究段階ですので白黒はっきりとは言えない部分がほとんどです。
いずれにしても、犬の飼いやすさは、性別以外の要因に大きく左右されます。
- 社会化期(生後1~3ヶ月頃)の飼育環境
- 飼い主のライフスタイルやしつけ方
- 犬種そのものが持つ気質 など
飼いやすさを重視して愛犬をお探しの方は、性別で子犬を選ぶのではなく、ペットショップやブリーダーの飼育環境、飼い主様の生活にあった性格の犬種をしっかりと見極める事が大切です。
どんなワンちゃんであれ、親犬だけではなくブリーダーからも沢山の愛情を受けて育った子犬であれば、性別に関係なく最高の家族になってくれるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?犬の性別についてご紹介させていただきました。
メス犬とオス犬では発情期や身体的な違いはあるものの、性格や行動については性別間の差はほとんどないことがお分かりいただけたのではないでしょうか。
「初めて犬を飼うから、飼いやすい子がほしい!」という方は、性別や抱っこしたときの衝動で子犬を選ぶのではなく、沢山の子犬ちゃん達とゆっくり触れ合いながら飼い主様と一番相性の合う子を選ぶ事が重要です。
この記事が初めてワンちゃんを飼われる方の運命のパートナー探しのお役に立てましたら幸いです。